出雲方面探訪

2006.12.24 up

 2006年12月15日から山陰の出雲周辺に行ってきました。一番の目的は木次線の三段スイッチバック。この時期では出雲おろち号の運用はすでに終わっているので、キハ120となりますが、じっくり堪能するには、この方が具合が良いと言うものです。(言い訳か?)

 木次線以外には、一畑電車、復路のサンライズ出雲シングルデラックス乗車など、今回は撮影よりものんびりと、2006年締めくくりの旅行をして来ました。


[ 2006.12.16 木次駅 ]

 12月15日、東京駅。新幹線のぞみで一気に岡山へ向かいます!
 昨日は忘年会(?)だったため、朝の景気付けの一杯はおあずけ。
 天気はイマイチ。というか雨?ココ最近の晴天連続記録はここでストップか?

 岡山からは、やくもで米子に向かいます。岡山では心配していた天気も快晴!
 そうそう、今回はのんびり旅行なので、ちょっと奮発してグリーン車を利用しました!381系のグリーン車はなかなか快適。

 ちょうどお昼だったので、車内販売のお弁当、祭り寿司を購入。綺麗な景色を眺めながら食事です。

 振り子列車の傾きを感じながら伯備線を進みます・・・


 で、米子到着です。妖怪達が出迎えてくれます。利用客より妖怪の方が多い気がするのは気のせいか・・・?(笑)

 ヤードには除雪車両の姿もありました。雪に対する準備は万端といった感じ。

 今日の宿は皆生温泉なのですが、まだ時間があるので、境線に乗ってみることにしました。

 0番線で待っていたのは、ねずみ男列車。ローカル線と思い、ガラ空きだろうと思っていたら、なんと満席!正直なところ、ちょっと驚きました。

 満員のキハ40にゴトゴト揺られているとなんだか眠くなってきます・・・。上を見るとねずみ男が暢気に寝ているではありませんか・・・。眠気が加速します・・・


 御崎口駅で下車。程なくやってくる米子行きを待ちます。境線は各駅に妖怪の名前が別名として付けられています。この御崎口駅は、砂かけばばあ駅。メジャー妖怪でちょっと良かったと思うのでした。

 米子行きは直ぐにやってきました。今度は鬼太郎列車。ナイスターゲット。望遠を用意していたので、周囲のごちゃごちゃを排除して撮影できました。それにしてもこの境線。車窓を見ていたのですが、結構撮影ポイントありそうですね。

 鬼太郎列車は後ろにねこ娘列車が付いていました。ナイス!


 ちょっとだけ境線を堪能して再び米子駅に戻ってきました。
 駅にはDE10が夕日を浴び、赤い車体が更に赤みを増していました。写真は撮ったものの、ちょっと影が掛かっちゃっていたが少々残念。

 駅を出ると正面にはC57の動輪が置いてありましたね。

 バスの時間まで少々あったので機関区の様子を覗きに行きました。おろち号の客車はいましたがカマはいなかった様子。それでもDD51やDE10が沢山見られたのはちょっとウレシイ。

 なんかオブジェが見えたので望遠で撮影してみると、「後藤工場発祥の地」だとか。そういや境線に後藤って駅があって工場もあったなぁ。その発祥の地ということでしょうね。因みに後藤駅までは工場進入のため電化されてたりします。

 バスで移動すること20分くらい。これがまた眠気を誘う速度と揺れ・・・(^^;

 宿は皆生温泉の菊乃屋。なかなかの宿で、ウェルカムドリンク(?)は抹茶。当然因幡の白兎付き。(^^)

 部屋からは海が一望でき、夕暮れが近いため、なんとも微妙な色合いの空となっていました。

 12月16日、木次線に乗るため、米子駅から宍道に向かいます。米子駅にはキハ58が・・・!こんなところでキハ58を拝めるとはラッキー!  この日、サンライズ出雲の下りは遅れて米子に到着。本来ならとっくに出雲市に向かっているはずだったので、予定外の撮影となりました。


 宍道駅で、木次線に乗り換えます。駅員さんが木次線の入線時刻を教えてくれたので、入線シーンを楽々撮影。
 やって来たキハ120は回送車両を連結していました。

 んー、この日は少々寒く、この後が著と心配な感じでした。

 さて、木次線キハ120は 備後落合へ向けて出発です。結構きわどいところに線路が引かれていて、意外と最初から車窓が楽しめます。

 実はキハ120にまともに乗ったのは・・・初めてだったと思います。
 キハ120なんて・・・と、思っていましたが、なかなかどうして。力強い音を響かせ勾配を登って行くじゃないでか。キハ120も少し好きになったように覚えています。
 後部となっている運転台を覗いて計器類を覗くのも一興でした。

 木次駅では、ここまで回送として連結されてきた車両を開放。運転士が作業を行うと言うのも、少々不思議な感じがしますね。

 さて列車は木次駅を後にし、更に進みます。いよいよスイッチバックと延命水のある駅、出雲坂根駅に向かいます!

 出雲坂根駅は、駅自体がスイッチバックの1つになっています。ここで、運転士が通路を通って反対側の運転台に移動します。つまり運転士は諸々の作業もあるため、少々の停車時間があります。その間に観光客はホームのエンドのあたりにある名水、延命水を飲みます。なんで信楽の狸がいるかというと、某ガイドによれば昔、100歳を越える老狸が飲んだ水なんだとか。そうそう、この延命水、上下のホームそれぞれにあるので、時間は少ないですが、慌てなくても大丈夫みたい。というか、運転士からみえるところにあるので更に安心。(ホントか?)

 一つ目のスイッチバックである出雲坂根駅を出発すると、キハ120はグイグイと登坂し、程なく二つ目のスイッチバックに到着。折り返す線路が見えてくると、その角度の違いを実感できます。それもそんはず。上の写真の説明を見るとたったひと駅731−564=167mもの高度差があるんですね。

 このスイッチバックのポイントは雪から守るために小屋に守られています。この小屋を通り過ぎたところで停車。またまた運転士が通路を通って反対側の運転台に移動します。
 小屋の中には2つの信号が設置されています。写真の右の赤信号がさっき登ってきた出雲坂根駅方面。左側の青信号がこれから向かう三井野原駅方面。

 余談ですが、この写真。信号と運転士を1枚に収めるのは少々苦労しました。できれば運転士が指差しする瞬間を撮りたかったのですが・・・のがしました・・・。orz

 スイッチバックのポイントから三井野原駅までは結構な距離があります。その間、殆どが結構キツイ上り勾配。トンネルと鉄橋、カーブの連続です。フランジが音がたまりませんね。
 途中、ガイドブックに良く乗っている奥出雲おろちループが車窓から見えます。列車はこのビューポイントで速度落とし、じっくり見ることができます。でもアナウンスは無いので、居眠りしていると通り過ぎちゃいます(笑)。

 キハ120は再び唸りを上げ、三井野原に向かいます。


 備後落合まで行っちゃおうかとも思ったのですが、三井野原で下車しちゃいました。さて、下調べなしです。どんな駅やら・・・。というか寒い・・・。
 駅を見ると情緒もなにもないプレハブ小屋みたいな駅舎。それを外壁を黄色、内壁が赤。ベンチが白というある意味驚きの駅。

 ホームには「JR西日本で一番高い駅」との看板。途中で割れていましたが・・・。(^^; ん?726m?出雲坂根駅では731mってあったけど・・・。どういうこと??分水嶺を越えてきたから最高点からは5m下がったって事でしょうか。
 この駅に到着したのは13時17分。次の戻り列車は14時52分。1時間半くらいですね。時間があるようでないですね。しかも列車に遅れることは許されません。14時52分を逃すと18時23分までありません。この寒さのなかそんなに待つのはイヤであります。一応時刻表をデジカメで撮影しておいたのですが、良く見たら上下それぞれ一日に3本しかこないんですね。しかも内1本は第2木曜は運休だとか。
なんせ周囲はスキー場ということで、まだこの時期はなんにもありません。道の駅奥出雲おろちループまで歩いて10分程度だとか。色々考えましたが、ループ橋を見に行くことにしました。
 ループ橋はなかなか壮観な眺めでした。赤い端の下に展望台があるというこで、行ってみましたがとても良い眺めとはいえず、しかも手入れはされていない様子でしたね。
 さて三井野原から上り列車に乗り、スイッチバックに戻ります。右は途中のビューポイントでの車内の様子です。

 こんどは三井野原から出雲坂根へ向かうスイッチバックのシーンです。
 下り坂でも、やはりスイッチバックはちょっと楽しいですね。

 我が鉄道模型にも取り入れたいんですけどね、意外とスイッチバックはスペースが必要なんですなぁ。

 三井野原駅あたりから雨がパラついて来ました。ま、雨の列車旅も良いものです。ただちょっと寒いのが・・・。
 出雲坂根でまたもや運転士が反対側へ移動します。ご苦労様ですね。

 さて、三井野原から乗車した列車は出雲横田駅止まり。駅を出てみると注連縄が掛けられた立派な駅でした。駅前は綺麗に整備されてましたね。

 で、ここからタクシーを使って亀嵩駅へ移動します。次の列車まで約1時間。この時間差を利用して亀だけ駅のそばを食べようという魂胆です。

 亀嵩駅まではどれくらいだったでしょうか。10分ちょいといったところだったかなぁ。 


 亀嵩駅到着です。ウワサには聞いていましたが、やはり駅というより蕎麦屋の雰囲気。中に入ると待合室、券売所、改札と駅の面持ち。その横のサッシの入り口が、亀嵩駅のそば屋「扇屋」さんです。
 そばは私好みの素朴なものでした。まぁ、またこの辺りにくるなら立ち寄りたいところです。
 窓からはホームを見上げる感じで、列車が来ると右の写真の状態。電話予約ができるようで、列車が来ると蕎麦弁当を列車に運ぶ様子が見られました。
 そんな様子を見ながら私はついでにビールをいただきました。寒いんですけどね〜。

 列車が来るまでの間、駅舎などを撮影して時間を潰します。線路を渡るオバちゃん。こんなところにもあった駅標。こっちのがいいなぁとか思いながらシャッターを切りましたね。

 列車がやってくる頃には日が落ち始めました。と言っても曇りなので日没なんてタイミングは良くわかりませんでしたけどね。(^^;

 温かい車中では眠くなるいっぽう。ガタゴトしながら列車は木次駅へ向かいます。


 木次駅に着くころには完全に日没。多少停車時間があるので、撮影に励みます。多少明るさは残るものの、写真を撮るには限界。というか無理。感度を上げ、手振れ補正を使ってなんとか撮影。でも良い雰囲気を撮影できたかな。

 ちょっと話は飛びますが、12月17日、この日は玉造温泉駅からスタートです。
 今日は松江に行き、一畑電車で出雲大社方面へ。その後出雲市駅からサンライズ出雲で東京に向けて出発です。
 玉造温泉駅はいたるところに古さを感じさせるものがありました。待ち時間があれば色々探してみるのも一興かと。
 行き先案内板がまた良くて、東京と下関が一枚に書かれていて、大雑把な感じがとても好きです。(笑)


 さて、松江からバスで松江市街をざざっと巡り、途中で地ビールをいただいて一畑電車の松江しんじ湖温泉駅へ。

 ホームには元京王5000系のデハ2100が待っていました。早速乗り込み、一畑口駅へ向かいます。この一畑口駅は今年2月にも訪れ、私のお気に入りの駅となったため、今回も行ってみることにしました。

 一畑口駅に着くと、結構雨が降ってきました。そう言えば、前回着たときも雨だったなぁ。ま、雨の一畑口駅は絵になるので良しとしましょう。でもサムイ・・・。
 この一畑口駅はスイッチバックの駅で、過去にこの駅から一畑大社への線路が延びていたそうです。その後、その線は廃止され、現在はスイッチバックの駅として残っています。
 列車は停車時間も短く、あっと言う間に折り返してきます。
 何処が気に入ったかと言いますと、スイッチバックということで、広い敷地とダブルクロスポイントが見えること。松江しんじ湖温泉駅方面は見通しが良いこと。それと何よりもホームの形状が懐かしい感じ。

 本来なら次の電鉄出雲市行きを待つところだったのですが、寒さの余り、次に来た松江しんじ湖温泉行きにのり、暖を取ります。(笑)
 次の伊野灘駅で降りて、電鉄出雲市行きに乗ります。つまり、ちょっとでも早く電車に乗って寒さを凌ぎたかったわけです。が、この伊野灘駅で降りた時、なんと霰(雪だったか?)降ってきまいた!こりゃ寒い訳だ。
 今度は旧南海21000系、デハ3000です。これがいい感じなんですよね。ロングシートの手すりの曲線や、照明のカバー、通気口など、当時のまま(だと思う)曲線を多様したデザイン。好きです、この車両。
 などと言っている内に出雲大社前駅へ。この駅はこの後で。

 出雲大社に行きましたがここでは省略。なんか前のときもそうしたような気がするなぁ。(笑)
 昼食は出雲蕎麦。この頃、雪が降ったり止んだり。私個人としては出雲はにわか雪の国という印象が固定しちゃいそうです。


 旧大社駅です。ここも以前来ましたが、いいところです。個人的にですけどね。一般的にはあまり人気が無いらしく、前回も今回も殆ど人がいません。広い駐車場があるものの、1台も停まっていません。
 中に入ると、前回見落とした出雲のヘッドマーク。ちょっと小さい・・・

 駅舎内は非常に広く、屋外の改札のことも考えるとやはり当時は相当の賑わいを見せたことが想像できます。
 外にはデゴイチ。なんか以前よりも荒廃が進んでいる印象。なんとか綺麗にしてあげて欲しいと思う一方、このままの状態もちょっと好きかも。


 出雲大社前駅。私の好きな駅の1つです。この表からはこじんまりとして見える駅は、中は意外と広く、午後にはステンドグラスから射す光が駅とは思えない雰囲気を作り出します。半円形の券売所、観光相談のカウンタ、次発列車案内板、手小荷物取扱窓口、ベンチに囲まれたストーブ、大きく重い木製の引き戸、何処と切り取っても良い雰囲気。私好み。
 ホームもチョット草臥れた感じがとても良い雰囲気です。
 次の列車は写真右の元京王5000系(とは思えない改造車)のデハ5000。オリジナルの雰囲気は無いですが、それでも意外といい雰囲気ですよね。
 ちゃんと電鉄クッキーも購入(写真下)。前は赤を買ったので今度は黄色です。
 発車時刻となり、発車ベルがなります。懐かしい「ジリリリリリリリリリ・・・」ってヤツです。銀河鉄道999の長い発車ベルのヤツですね。これもまたいい!

 さて、折角デハ5000の急行出雲大社号に乗ったので、川跡駅で乗り換えて電鉄出雲市へ行くのではなく、平田駅まで行ってデハニ50を拝んでいくことにしました。こちらも以前来たのですが、今回も同じ位置に鎮座していました。ファンサービスなのか、顔だけをホームから覗ける状態。いいなぁ。一度走る姿を見たいものですが、関東の人間にとってはなかなか予定を付けにくいですね・・・。・・・。・・・。でも、2連で走る機会があれば来ちゃうかも。(笑)
 平田駅から次の列車で電鉄出雲市駅へ向かいます。


 電鉄出雲市駅に着くとホームは何故か真っ暗。ん?前は明るかったような気がしますが・・・。階段も真っ暗。こりゃ危ない感じ。なにかあったんでしょうかね?

 などと思いつつ、JR出雲市駅へ。ちょっと寒くて暗いのですが、表へ出てみると、サンライズ出雲の大きなポスターがありました。(布だったからポスターとはいえないか?)
 この後サンライズに乗車する身としては気持ちが高まるってものです。

 お土産やらサンライズ出雲内で食べる弁当の手配やらを済ませます。弁当屋のおばちゃんは「サンライズ?」だって。慣れたものですね。ここでも出雲蕎麦の弁当を調達。ついでに当然の如くそばビールも購入。
、一通りの準備が済んだところでいざ入場。高架ホームへあがります。前回ここに来たときは、DD51の特急出雲に乗ったんだよなぁ〜、と思い出しておりました。

 さ、懐かしむ暇も無く、今回は285系、サンライズ出雲です!窓からもれるオレンジの光は魅惑的です。今回もA寝台シングルデラックスに乗車です。
 ダイヤが若干乱れていたようで、少々遅れて出雲市駅を出発しました。

 伯備線の途中駅で対向のやくもの通過を待ったのですが、窓から外覗いたら雪が薄っすらと積もっていました。その後、恐らく山陽側になってからだと思いますが、空を見ると満天の星空が広がって今いた。夜行列車個室の醍醐味ですね。  少々眠っていて、気がつくと窓の外をサンライズに並走する野洲行きの列車がいました。駅通過の明かりを利用して超流し撮り。(笑)
 例によって熱海あたりで目が覚め、空も少々明るさが出てきたためそこからは車掌を堪能します。

 翌、7時8分、定刻通りに東京駅に到着。ホームで最後のカットを撮影し終えたところで、若い男性客2人が、サンライズを入れて写真を撮って欲しいとのこと。どうやら韓国から来たらしい。彼らにとって日本の寝台特急はどういう印象だったのかな?なんて思いつつ上野へ移動し、常磐線へ。そういやぁ今回も沢山撮影したけど、今回の最後に撮った写真が彼らのカメラに中だったことを常磐線の中で気付いたのだった。オイシマイ。